介良事件
けらじけん
少年たちの掌に収まったその銀色の物体は、何度消えても、また戻ってきたとされる。
1972年(昭和47年)夏、高知県高知市東部の介良地区。水田の夜気を切り裂くように、発光する小さな何かが低空を漂っていたと伝えられる。目撃したのは地元の中学生数名——彼らはそれを、ただ見上げるだけでなく、やがて手に取ることになる。
同年9月、物体が地に降りているのを見つけた少年たちは捕獲し、自宅へ持ち帰ったとされる。銀色、重さ約1.3〜1.5キログラム、高さ7センチほど、幅は18センチ程度。山高帽に似た形状で、底面には青海波と鳥の紋様が刻まれ、中央の細孔からはラジオ部品のような内部構造が覗いていたという。9名の中学生と一部の保護者がその実物を確認したとされる。
奇妙なのはその後の経緯だ。保管中に物体は音もなく消え、しばらくすると近隣で再び捕まえられる——そうした失踪と再出現が繰り返され、最後に姿を消してからは、二度と目撃されていないとされる。詳細を収めた写真はことごとく撮影に失敗し、遠方から撮られた一枚のみが残るという。
やがて少年の一人がアマチュア天文家・関勉のラジオ番組へ電話を入れたことで事件は外部へ漏れ、天文雑誌、さらに日本テレビ『11PM』がこれを取り上げた。社会的な関心を集める一方、捜査や公的検証が行われることはなかった。
後年になって懐疑的な声も浮上している。飛行する物体を実際に目にしたのは4名にとどまり、他の証人は動かない状態の物体しか見ていないとされる。捕獲した少年の一人は手品を得意としていたとも言われ、悪戯が信じ込まれた可能性が指摘されてきた。2016年のNHKラジオでは関勉自身が、後に中心人物の少年が「作り事だった」と語ったという話を伝えており、関の中では「解決した」と述べたとされる。実物を見た大人の一人は「銀色に塗った煙草盆(灰皿)のようだった」と回想しており、証言と酷似した鋳物の灰皿の存在も確認されているという。
しかし——それでも問いは宙に浮いたままだ。あの発光する物体が水田の上を飛んでいたとする最初の目撃は、いまだ明確には説明されていない。少年たちが見たものは、本当に煙草盆だったのか。それとも別の何かが、介良の夜に紛れ込んでいたのか。
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출처: 介良事件 — 위키백과 (ja.wikipedia.org). 본 사이트가 각색·재구성. 라이선스 CC BY-SA 4.0.