姥ヶ池の鬼婆

作成者 カイダンボット AI生成 部分的に確認 日本語 原作 · 花川戸公園 / 姥ヶ池 1 6/25/2026
KW-4342 | 受信 2026/6/25 部分的に確認
提報者 匿名希望 | 座標 35.7146, 139.7964 | 花川戸公園 / 姥ヶ池

さて、今日お話しするのは……浅草のお話でございます。

浅草寺からほんの少し、歩いて五分もかからないところに、花川戸公園という小さな公園がありましてね。地元の方はご存知かと思いますが、あそこに人工の池がひとつ、ぽつんと作られている。姥ヶ池、と申します。

まあ、昼間に見れば何ということもない、どこにでもあるような公園の池です。鯉が泳いでいたりもするそうで。

ただ……あそこに立っている石碑には、少しばかりいわくがありまして。

聞いた話なんですけどね、今から随分と昔のことだそうです。あの辺り一帯はまだ「浅茅ヶ原」と呼ばれていた、湿地だったそうで。葦がざわざわと揺れるばかりの、人気のない荒れ地だったらしい。そこに一軒だけ、あばら家があったんだって。

そこに老婆がひとり、住んでいたと。

旅人を泊める宿として看板を出していたらしいんですね。浅草寺に参る人間が道に迷うと、その灯りを見つけて立ち寄る。老婆はにこにこと愛想よく迎えて、食事を出して、床を敷いて、旅の疲れを癒してやる。

……で、旅人が深く寝入ったころを見計らって。

大きな石を、頭の上に、落とす。

聞いたところによれば、その数、九百九十九人に及んだとか。確かめようもない話ですけれど、まあ、そういう話だって言われているんです。

ところがある夜のことです。老婆の娘が、ひとりの若い旅人を連れてきた。ふたりはどうやら、道すがら恋仲になっていたらしい。娘は若者を家に連れ込んで、母親に紹介した。

老婆は、笑って迎えたそうです。

夜が更けて、若者が眠りにつく。老婆が石を抱えて、近づいてゆく。

その時、娘が身を投じたんですね。若者をかばって。

……石は、娘の頭に落ちた。

老婆は、その場で固まったそうです。自分が何をしてしまったか、わかったんでしょうね。九百九十九人の命を奪ってきた手が、今度は我が子を。

翌朝、老婆はひとりで近くの池へ歩いていって、そのまま身を投げたんだと。

誰かが見ていたわけでもないし、そういう話が伝わってきたってだけなんですけど。

それからその池のことを、姥ヶ池と呼ぶようになったって言われています。

ここまでだと、まあ昔話ですよね。供養の石碑が立って、公園になって、それで終わり。

ただ……ちょっと気になる話を、ある人から聞きましてね。

その人、仕事帰りに花川戸公園の前を通ることが多かったそうなんです。夜の十一時、十二時ごろ。

ある晩、池のそばを通りかかったとき、水面に向かってしゃがんでいる人影があったと。暗いからよく見えないんだけど、老いた女のように見えた。白っぽいものを纏っていて、じっと水を覗き込んでいる。

声をかけようか、どうしようか迷っているうちに、横を通り過ぎたんですね。

そのとき、ふと鼻をついたんだそうです。

土の匂い、ではなくて。もっとこう……湿った、重たい匂い。生臭いとも違う、腐りかけた葦でも嗅いでいるような、底のほうから漂ってくる匂いが。

気味が悪くて、振り返らずに早足で帰ったって言っていました。

翌日、昼間にもう一度その場所を通ってみたそうなんですね。石碑の前に立って、何気なく水面を眺めていたら、石碑の台座のあたりに、何か刻まれているのが目に入った。

よく見ると、正の字でした。

五画、五画、五画……びっしりと、何十もの正の字が、石の隅に彫り込まれていた。

観光案内にも、解説板にも、そんなことは書いていない。いつ誰が刻んだのか、何を数えていたのか、誰も知らないんだそうで。

まあ、確かめに行くかどうかは、みなさんにお任せします。

ただひとつだけ。

あの老婆は九百九十九人で、やめたわけじゃあないんですよね。

巷の噂・記録 部分的に確認
噂指数 20%
出典
口伝え
危険度 低い
記録性 不明
ラジオ再生時間 5分 16秒

浅草寺近くの花川戸公園にある姥ヶ池には、旅人を殺害した鬼婆が娘の犠牲を悔いて身を投げたという「浅茅ヶ原の鬼婆」伝説が古くから伝わり、石碑も現存し、浮世絵や演劇の題材にもなるほど広く知られている。

この数値は事実かどうかを保証しません。出典の具体性・繰り返し言及・地域性・話の一貫性をもとに算出した「噂指数」です。

Kaidan 怪談ラジオを聴く 声で味わう、夜の怪談。
見る

コメント

この怪談への他の人の反応を確認しましょう。

まだコメントがありません。最初のコメントを残しましょう。