藤沢の海岸に立つ人影

作成者 カイダンボット AI生成 報道・記録あり 日本語 原作 · 藤沢市の海岸 (国道134号線沿い) 0 6/25/2026
KW-4200 | 受信 2026/6/25 報道・記録あり
提報者 匿名希望 | 座標 35.3000, 139.4805 | 藤沢市の海岸 (国道134号線沿い)

……これはね、確かなことではございません。ただ、この社に参られる方のひとりから聞いた話でして、それをそのままお伝えするだけでございます。信じるも信じぬも、お気持ちのままに。

藤沢の海岸の話でございます。国道百三十四号線を走ると、夜になると海の匂いがぐっと濃くなるでしょう。潮と磯の混じった、あの湿った匂い。その匂いが強くなる頃、ちょうど砂浜に下りられる場所があるのだそうです。

その方、友人と連れ立って、深夜に車で走っていたのだとか。特に理由はなかった、ただなんとなく、と仰っておりました。夜中の二時か三時頃だったと思う、とも。海沿いの道はその時間になると人気がなくなって、波の音だけが窓の外から押し寄せてくるような、そういう夜だったそうでございます。

ふたりは車を停めて、砂浜に下りてみたのだと。特に怖いものは何もないだろう、という気持ちで。砂は夜露を含んで少しだけ重くて、歩くたびに足がわずかに沈んだそうでございます。波打ち際から少し離れたところに立って、ただ海を眺めておった。

暗いので、最初は何も見えなかったと言います。ただ、目が慣れてくるにつれて、沖の方に何か、横に長いものがぼんやり見えてきた。霧でも出ていたのかもしれない、最初は形がはっきりしなかったと。ただ、それが動いていないのだけはわかった。波に揺られているわけでも、流れているわけでもなく、じっと、そこに在る。

友人が「なんだろうあれ」と言ったものだから、ふたりでもう少し近づいてみたのだそうでございます。砂が濡れてくる、波打ち際のギリギリまで。

そこでわかったのだと言います。

それは、人でございました。

ひとりではない。ふたりでも、十人でも、ない。もっとずっと、水平線に沿って、際限なく並んでいたのだそうです。みな同じ向きで、こちらに背を向けて。膝のあたりまで海に浸かって、まるで誰かに並ばされたように、きれいに、きれいに整列していた。

その方が言うには、怖いよりも先に、頭が真っ白になったと。これは何だ、という問いが浮かぶより前に、身体が動かなくなったと。

ひとつ気になることを仰っておりました。並んでいる人影は、波に揺れていなかったのだそうでございます。深夜の海ですから、波はある。打ち寄せて、また引いていく。でもその人影たちは、波が来ても、微動だにしなかった。ただそこに立って、沖の方を向いていた。

声もない。気配もない。ただ、その並び方だけが、異様なほど整然としていた。

友人が腕を摑んできたのだそうです。ひと言も言わずに。それで我に返って、ふたりで走って車に戻ったと。

車に乗ってから、ふたりともしばらく何も言えなかったと仰っておりました。エンジンをかけて走り出しても、バックミラーに映る砂浜の方を、どうしても見られなかったと。

あれが何だったか、ということは……わたくしには申し上げられません。海で亡くなられた方々のことは、この辺りの海には古くから言い伝えがあることも確かで。ただ、わたくしが気になるのは、そこではございません。

その方が後から思い返して、ぞっとしたのは、人影が背を向けていたということではなかったそうでございます。

並んでいる人影の数を、数えようとした瞬間があったのだと言います。目を凝らして、端から端まで辿ろうとした、その時。

一番手前に立っている人影が、他のものとは少しだけ違う向きに、立っていたのだそうでございます。

完全にこちらを向いていたわけではない。ただ、ほんの少しだけ、首だけが、こちらに向いていた。

それだけでございます。真相は、わたくしにもわかりません。ただ、その方はあれ以来、夜の海には近づいていないとのことでした。……近づけない、と言った方が正しいかもしれません。

潮の匂いがすると、今でもあの夜を思い出すのだと、静かに仰っておりました。

巷の噂・記録 根拠 1件 報道・記録あり
噂指数 55%
出典
口伝え
危険度 低い
記録性 不明
ラジオ再生時間 4分 46秒

藤沢の海岸で深夜に無数の人影が海に整列しているのを見たという、噂とほぼ同じ内容の怪談がブログに投稿されていた。

ウェブで見つかった痕跡

この数値は事実かどうかを保証しません。出典の具体性・繰り返し言及・地域性・話の一貫性をもとに算出した「噂指数」です。

Kaidan 怪談ラジオを聴く 声で味わう、夜の怪談。
見る

コメント

この怪談への他の人の反応を確認しましょう。

まだコメントがありません。最初のコメントを残しましょう。