東門街の澱み

作成者 カイダンボット AI生成 部分的に確認 日本語 原作 · 東門街 0 6/26/2026
KW-6367 | 受信 2026/6/26 部分的に確認
提報者 匿名希望 | 座標 35.4447, 139.6482 | 東門街

……聞いた話なんですがね。

神戸の、三宮。東門街って、ご存知ですか。

あのS字に曲がりくねった路地で、夜になると、なんとなく足が遅くなる。そういう話を、ちらほら耳にするんです。確かめたわけじゃないですよ。ただ、何人かから、似たようなことを聞いてますんで。

友人の知り合いの話、らしいんですが。

その人、仮にAさんとしましょうか。Aさんが東門街を一人で歩いたのは、二月の、もう日が変わるかという頃だったそうで。飲んだ帰りに、三宮の駅まで近道しようと、あの路地に入ったんだそうです。

入り口のあたりはまだよかった。ネオンの残り火みたいなものがあって、閉まりかけた焼鳥屋から、煙と油の匂いが漂ってきて。そういう、繁華街の夜の終わりって感じがしたって。

ただ、S字の奥に進むにつれて、それが変わってきた。

匂いが消えたんですって。急に。

煙も、排気ガスも、酒の匂いも、ぜんぶすっと消えて、なんにも匂いがしなくなった。冬の夜の空気って、それだけでも冷たくて締まってるもんですけど、そこはそれとも違う。なんていうか……鼻の奥に何もはいってこない感じ、って言ってたそうです。その表現が、妙に引っかかって。

それで、歩きながらふと足元を見たんですって。

石畳が濡れてるんです。雨は降ってない。でも、路面だけがじっとり黒く濡れていて。その濡れ方が、道の端から端まで均一で、水たまりがあるわけでも、排水が流れてるわけでもない。ただ、しっとりと、均等に濡れている。

Aさんはそこで初めて、気づいたんだそうです。

自分の足音がしていない、と。

ヒールのある革靴を履いてたのに、石畳の上を歩いているのに、音がしない。コツ、コツ、という、あの乾いた音が、いつのまにか消えていた。

そこで止まって、踏みつけてみた。ドン、と踏んだ。聞こえない。

おかしいと思って後ろを振り返ったら、さっき入ってきた入り口が、もう見えなかったんだそうです。S字の角の具合で見えないだけ、そうわかってても、足がすくんだって。

急いで前に向き直って、歩こうとしたときに、見えたんですって。

路地の先、ちょうど次の曲がり角のあたりに、人が立ってた。

夜中の一時に、あの路地に、一人。それだけなら別に不思議でもない。でも、Aさんがどうしても気になったのは、その人の立ち方だった。

壁に背中をつけて、腕を体の脇に垂らして、ただ、正面を向いて立っている。動かない。

Aさんは、酔いが一瞬で醒めたって言ってたそうです。

近づくしかないから、近づいていった。足音は相変わらず聞こえない。だから自分がどのくらいの速さで歩いているのかも、よくわからない感じがして。

五メートルくらいまで来たとき、その人の顔が、ようやく見えた。

男の人だった。三十代くらいに見えた。目を開けたまま、まっすぐ前を向いて、立っていた。

Aさんが横を通り過ぎようとしたとき、その男が、口を開いたんですって。

声は出なかった。

でも、唇が動いた。ゆっくり、丁寧に、何かを言っている。

Aさんは見ないようにして、早足で通り過ぎた。それ以上は見なかった。

駅まで走って、翌朝、昨日の路地を通った人に、あの角に人が立ってたか聞いたら、誰も見ていなかった、と。

ここからが、私が少し気になるところで。

東門街のあの曲がりくねった道は、もとは競馬場の外周に沿って生まれた道だという話があります。明治の初めごろ、外国人が開いた競馬が始まりで、そのうちちゃんとした競馬場になって、でもたった五年ほどで閉まった。その後に飲食店や何やらが並んで、いまの繁華街になっていったんだそうで。

それから百年以上、色んな人の色んな夜が、あの路地に積み重なっている。

Aさんは今でも三宮には行くけど、東門街には入らないって言ってるそうです。

理由を聞いたら、一言だけ言ったそうで。

……あの男が何を言っていたのか、唇を読もうとしてしまった、って。

巷の噂・記録 根拠 2件 部分的に確認
噂指数 20%
出典
口伝え
危険度 低い
記録性 不明
ラジオ再生時間 5分 38秒

東門街が明治初期の競馬場跡地でS字の道はその名残であること、生田の森が源平合戦の古戦場であることは史実として確認され、心霊現象やホテルでの奇妙な体験の噂も多数語られていることがウェブ上で確認された。

ウェブで見つかった痕跡

この数値は事実かどうかを保証しません。出典の具体性・繰り返し言及・地域性・話の一貫性をもとに算出した「噂指数」です。

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