UMA・未確認生物 ▰▱▱▱▱

クッシー(屈斜路湖の怪獣)

くっしー(くっしゃろこのかいじゅう)

湖底は今も、何かが動いている。

北海道東部、弟子屈の地に横たわる屈斜路湖——日本最大のカルデラ湖にして、全面結氷する淡水湖としても国内随一の広さを誇る。アイヌの言葉で「沼の水が流れ出る口」を意味する「クッチャラ」に由来するその名は、遠い昔から人ならざるものの気配を帯びていたとされる。

1970年代より、湖上に巨大な波紋や黒い隆起物を目撃したという証言が相次いだとされる。地元ではこの存在を「クッシー」と呼ぶようになり、その噂は瞬く間に全国へ広まった。体長数十メートルに及ぶとも、長い首を持つ生物に見えたとも語られるが、いずれも伝聞の域を出ない。

屈斜路カルデラは約百六十万年もの地質的時間をかけて形成されており、湖底の最深部は和琴半島東岸付近で百メートルを超えるとも推測されている。流入水の大半は地下から湖底へ静かに染み込んでくるという——その暗い通路の先に、何が棲むのかを知る者はいない。

湖の中央には中島と呼ばれる日本最大の湖中島が浮かぶ。かつてはタフリング(火口環)を持つ火山の頂であったこの島は、今も周囲の水面を静かに見下ろしている。目撃談の多くが、この中島の周辺で語られてきたとされることは、偶然だろうか。

未確認生物学的な観点から、クッシーはイッシーやネッシーと並べて語られることが多い。しかし現時点において、その存在を裏付ける物証は確認されておらず、巨大魚や流木、あるいは地熱による湖底のガス噴出が誤認を生んだとする見方もある。噂は今なお、湖畔の霧の中をただよっている。

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出典: 屈斜路湖 — ウィキペディア(ja.wikipedia.org)。 当サイトが翻案・再構成。ライセンス CC BY-SA 4.0.