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呪物・神器 ▰▰▱▱▱

八尺瓊勾玉

やさかにのまがたま

その玉は今も皇居の奥深く眠るという——しかし、誰もその真の姿を見た者はいない。

三種の神器のひとつ。八咫鏡・天叢雲剣と並び、神代より受け継がれてきたとされる曲がり玉。その名が示す「八」とは単なる数ではなく、測りえぬほどの大きさ、あるいは「弥栄」——永遠に繁える祈り——を含意するとも囁かれる。

玉の素材については、今なお定まった答えがない。ある記録は赤く燃える瑪瑙を示唆し、別の古い風土記の断片は「色は青し」と記す。蒼緑のヒスイか、深紅の瑪瑙か。その揺らぎ自体が、この品の本質をどこか掴みそこなわせる。見る者によって色が変わると言う者すらいた。

奇妙なのは、歴代の即位儀礼の記録においても、この玉への言及がひどく曖昧なことだ。剣と鏡の名は史書に刻まれる一方、玉はしばしば文字の隙間に沈む。それは身に纏う宝ゆえに献上されなかったのか、あるいは——そもそも記してはならぬ何かがあったのか。

長い緒に連ねた無数の勾玉とも、ひとつの巨大な玉とも伝わる。いずれにせよ、その全貌を直接目にした者の証言は存在しない。現在も皇居の深奥、重ねた布と箱の中に封じられ、開帳される機会は皆無に等しい。噂は今も静かに漂う——あの玉は、本当に「三種」に数えられていたのか、と。

神秘・静謐・不可視・古代の余韻 三種の神器勾玉皇室神器日本神話呪物ヒスイ瑪瑙
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出典: 八尺瓊勾玉 — ウィキペディア(ja.wikipedia.org)。 当サイトが翻案・再構成。ライセンス CC BY-SA 4.0.