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怪異・クリーチャー ▰▰▰▰▰

八尺様

はっしゃくさま

生垣の向こうに、帽子の縁だけが見えた――それが二メートル近い生垣の、さらに上にあった。

田舎の農道や生垣の向こうに現れるとされる長身の女の怪。身の丈は八尺、およそ二百四十センチ。白か黒のワンピースをまとい、白い帽子で顔を隠す。帽子の縁が視界に入ったとき、人はその高さに初めて気づく――そして、すでに遅い。

「ぽぽぽ」と表記される声は、人のものとも機械のものともつかない低い笑いだという。しかし油断してはならない。八尺様は声色を自在に変え、肉親や友人の声を借りて名を呼ぶことがある。扉を叩く音も、窓の向こうで囁く声も、それと知らずに振り返らせるための罠だと伝わっている。

特に子供や成人前の若者を好んで狙い、魅入られた者は数日のうちに連れ去られるか、息絶える。かつては山陰の村々に祀られた地蔵が八尺様を一定の地域に縛っていたという。しかし、その地蔵はすでに何者かの手によって砕かれており、今は特定の土地に留まらず、どこへでも現れうる状態にあると噂される。

言い伝えでは、護符を肌身離さず持ち、部屋の四隅に塩を盛り、朝の七時まで決して外へ出ないことが唯一の対処とされる。決して話しかけてはならず、指を差すことも禁忌とされる。しかし付け加えるべき事実がある――八尺様に出会い、生きて語り継いだ者は、これまで一人もいないとされていることを。

2008年にある匿名の投稿を通じてインターネット上に流布したこの怪異は、現代の口承として急速に広まった。発祥の経緯がいかに明確であっても、噂とは繰り返されるうちに肉を持ち、独り歩きを始める。今もどこかの田舎道で、生垣の縁よりも高い場所に帽子の白が揺れているかもしれない。

田舎の静寂・帽子の影・遠くから聞こえる笑い声・封印の崩壊 現代怪談長身の女子供を狙う声の模倣封印破れ山陰ネット怪談接触禁忌
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出典: 八尺様 — ウィキペディア(ja.wikipedia.org)。 当サイトが翻案・再構成。ライセンス CC BY-SA 4.0.